薄膜のつくり方の原理 - 薄膜技術入門講座 第2回 -
薄膜のつくり方
ご無沙汰しております、薄膜技術入門講座の時間です。
前回、薄膜とは何かについて簡単にお話させていただきました。
その際、薄膜はそれ自体で存在するのではなく、基盤などに付着する形で存在すると述べました。
今回は、その原理を簡単に見てみたいと思います。
まぁ、あまり簡単に言うとそんなことかと誤解されてしまうかもしれませんが、ここは入門講座なので、いいでしょう・・・。
(でも実際は、結構すごい技術なんですよ)。
結露
いま一般的に行われている薄膜のつくり方の原理は、誤解を恐れずに言ってしまえば結露と同じです。
たとえば、石油ストーブ(古いですか・・・)の上に水を入れたヤカンをのせて、沸騰させてみましょう。
そうするとどうなります?
そうです、当然水蒸気が出て、湯気が立ちますよね。
では、そのヤカンの上にかぶせるように板を置いてみましょう。
すると、ヤカンから出た湯気が板の上で冷やされ、板の上に水分が付着しますよね。
そう、結露です。
そして板を置いておく時間を長くすればするほど、板に付着する水分も増えていき、やがて水滴になって落ちて行きます。
こんなことは、小さなお子さんでも分かりきっていることでしょう。
まぁ、この例で言えば、小さなお子さんが石油ストーブを知っているかどうかが大きなポイントなのですが・・・
結露と薄膜
今回、なんで結露の話をしたかと申しますと、薄膜の形成はこの結露と原理が同じだからです。
つまり今回のヤカンの中の水をアルミニウムなどの金属として、また上にかぶせた板を基板と考えれば、原理は一緒です。
当社でも真空蒸着やスパッタリングなどの技術を用いて薄膜を形成しておりますが、すべて原理は一緒です。
それらの違いは、基本的に、どのように金属の分子を板まで飛ばすかという点にあります。
水はストーブで熱しても沸騰・気化して、板まで分子が飛んでいきますが、金属はそう簡単にはいきません。
普通の1気圧の元では、水の沸点は100度ですが、アルミニウムは2500度、金は2800度にもなりますから、当然石油ストーブは使いません。
まぁ、あくまでも原理の話です。
次回は、なぜ薄膜の形成に真空が出てくるのかという点をお話したいと思います。
では次回まで、ごきげんよう。

第1回 薄膜とは
